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小規模事業者持続化補助金で「不採択」と明記された事由と評価が低くなる点通常枠・創業型・共同・協業型

制度別ガイド持続化補助金

小規模事業者持続化補助金の公募要領が「不採択」「失格」「要件不備」と明記している事由と、計画審査で評価が低くなりうる点を、通常枠・創業型・共同・協業型の類型別に整理しました。次の公募に申請し直す前の点検に使えます。

この記事は誰のためか、読むと何がわかるか

小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)で不採択になった事業者の方に向けた記事です。

読むと、次のことがわかります。

  • 公募要領が「不採択」「失格」と明記している事由(類型別)
  • 計画審査で何が見られ、どこが弱いと評価が低くなりうるか
  • 次の公募に申請し直す前に、どの順番で確かめるとよいか

持続化補助金は、審査結果の内容についての問い合わせに応じていません。第20回通常枠の公募要領と第19回のよくあるご質問は、採否は全員に通知するものの、審査結果の内容の問い合わせには応じないとしています。そのため、公式資料に書かれた条件と審査の観点を、自分で照らし合わせることになります。

なお、公式資料は「失格・要件不備になる条件」と「計画審査の観点」を示していますが、実際の不採択のうちどれが何件あったかという内訳は公表されていません。この記事は、公式に書かれている条件の整理です。

審査のしくみ:基礎審査・計画審査・加点審査の3段階

第20回通常枠の公募要領によると、審査は3段階です。

  1. 基礎審査:満たさなければ「失格」になる4つの条件
  2. 計画審査:総合評価の高いものから順に採択
  3. 加点審査:選んだ加点の要件を満たしているか

基礎審査は合否、計画審査は他の申請との比較、という性格の違いがあります。

公表されている申請件数と採択件数

中小企業庁の採択発表に載っている数字です。採択率は、発表された件数から当メディアが計算したもので、小数第2位を四捨五入しています。

類型・公募回受付締切申請件数採択件数採択率
通常枠 第17回2025年6月13日23,365件11,928件51.1%
通常枠 第18回2025年11月28日17,318件8,229件(当初8,330件)47.5%
通常枠 第19回2026年4月30日16,576件7,819件47.2%
創業型 第1回2025年6月16日3,883件1,473件37.9%
創業型 第2回2025年11月28日3,220件1,225件(当初1,226件)38.0%
創業型 第3回2026年4月30日1,919件791件41.2%
共同・協業型 第1回2025年6月13日211件93件44.1%
共同・協業型 第2回2026年2月27日78件35件44.9%

通常枠では、ここ3回とも申請の半数前後が不採択になっています。

通常枠の第18回と創業型の第2回は、採択の発表後に、申請要件を満たしていない案件が含まれていたとして採択件数が修正されました。通常枠の第18回では、当初の8,330件のうち101件が該当し、8,229件に修正されています。採択の後でも要件の不備は問題になるため、次の節の「失格になる条件」は、採択を目指す段階で確かめておく必要があります。

通常枠:公募要領が「不採択」「失格」と明記している事由

基礎審査で失格になる4つの条件

第20回通常枠の公募要領は、次のいずれかを満たさない場合を失格としています(要約)。

  1. 必要な提出資料がすべて提出されている
  2. 補助対象者、補助対象事業、補助率・上限額、補助対象経費の要件と、記載内容が合っている
  3. 補助事業を進めるのに必要な能力がある
  4. 小規模事業者が主体となって、自社の技術やノウハウに基づいて取り組む事業である

そのほか、不採択になると明記されている事由

公募要領は、ほかにも次の場合を不採択(または交付決定の取消)としています。

  • 事業者自身が検討したと見えない記載である、または自ら検討していなかったことがわかった場合。この場合は評価にかかわらず不採択です。
  • 商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けたのに、申請様式の「第三者からのアドバイスの有無」欄に相手方と金額を書いていない場合。虚偽報告として扱われます。
  • 複数応募が判明した場合。たとえば、同じ代表者の複数の法人で同じ事業を申請する、個人と代表を務める法人で同時に申請する、複数の屋号で申請する、などです。すべて不採択になります。
  • 過去に実施した補助事業と同じ事業に見える場合。
  • 補助対象外の事業に当たる場合。国の他の制度と同じ・似た内容、事業終了後おおむね1年以内に売上につながる見込みがない事業、射幸心をそそる事業などです。
  • 計上した経費の大半が補助対象外の場合。事業の遂行が難しいとして不採択になります。

また、添付資料が所定の場所にない、ファイルの作り方に不備がある、パスワードが設定されていて開けない、といった場合は審査ができないとされています。

特例の要件を満たしていないと、通常枠としても審査されない

第19回のよくあるご質問は、賃金引上げ特例の要件を申請時点で満たしていない場合、通常枠として審査されることはなく、要件不備で不採択になるとしています。ほかの特例も同様です。特例を選ぶ場合は、要件を満たしているかを申請前に確かめる必要があります。

通常枠:計画審査で見られる4つの観点

計画審査の観点は、公募要領で次のように示されています(要約)。

  1. 自社の経営状況の分析が妥当か:自社の製品・サービス、強みと弱みを把握しているか。
  2. 経営方針・目標と今後のプランが適切か:強み・弱みを踏まえ、市場や顧客のニーズを捉えて、売上高・売上総利益の増加を目指しているか。
  3. 補助事業計画が有効か:客観的な事実に基づいて目標を立てているか。計画が具体的で実現できる見込みが高いか。新しい価値を生む商品・サービスや提供方法か。デジタル技術を有効に使っているか。取得した資産を事業終了後も使い続けることがはっきりしているか。
  4. 積算が透明・適切か:計画に合った必要な経費か。積算が正確・明確で、本当に必要な金額か。

公式資料には、これらの観点で「評価が低い」とどう扱われるかの具体例は書かれていません。ただ、観点の裏返しとして、次のような書き方は評価が伸びにくいと考えられます。

  • 強みや弱みが一般論にとどまり、自社に固有の内容になっていない
  • 目標の数字に根拠となる事実(実績、顧客の声、市場のデータなど)がない
  • 経費の内訳が計画のどの取組に使われるのかつながっていない

過去に採択された事業者への減点

過去に持続化補助金で採択・実施した事業者は、前回の結果を踏まえた計画か、過去の事業とはっきり異なる新しい事業かも審査されます。さらに公募要領は、過去の補助事業の実施回数などに応じて段階的に減点調整を行うと明記しています。減点の幅は公表されていません。

加点は2種類まで。3種類以上選ぶと加点審査の対象外

加点は、重点政策加点と政策加点から各1種類、合計2種類まで選べます。2種類を超えて選ぶと、加点審査の対象外になります。前回、加点を多く選べば有利と考えて3種類以上を選んでいた場合は、ここが見直しの対象です。

創業型:基本は通常枠と同じ、計画審査に違いがある

創業型第4回の公募要領(第8版)も、基礎審査・計画審査・加点審査の構造は通常枠と同じです。違いは次の2点です。

  • 観点1は「自社分析の妥当性」で、経営状況(売上など)には触れていません。
  • 観点3に、特定創業支援等事業で作った創業計画書などを踏まえた補助事業計画か、という観点が入ります。ただし、その計画書を作っていないことを理由に不採択や減点にはしないと明記されています。

審査結果の内容の問い合わせに応じない点は、通常枠と同じです。

共同・協業型:一つでも欠けると「要件不備」で不採択

共同・協業型第3回の公募要領(第6版)は、次のいずれか一つでも欠けると「要件不備」として、その後の審査を行わずに不採択にするとしています(要約)。

  • 申請様式(様式2-1)に、取組と評価指標が正しく書かれている
  • 応募資格・申請要件を満たしている
  • 応募期間内に申請している
  • 応募書類が今回の公募回用のもので、揃っていて、正しく記入されている
  • 応募上の注意事項をすべて満たしている
  • 申請様式(様式2-2)に、要件を満たす参画予定事業者が必要な数(10者または5者以上)、不備なく書かれている

さらに、申請者以外の者が申請手続きをしていると判断された場合や、他者の申請・過去に採択された計画・参画事業者と酷似している場合も不採択です。

審査の視点としては、資金調達の能力を含む財務の健全性、支出の金額と内容の妥当性(社会通念上妥当な単価・数量か)、地方公共団体の支援体制と内容の明確さが挙げられています。共同・協業型は、必要に応じてヒアリングを行う場合がある点も通常枠・創業型と異なります。

なぜ「失格条件」から確かめるのか

基礎審査と要件不備の条件は、当てはまると計画の中身を評価してもらえません。一方で、多くは書類と記載を見直せば自分で確かめられる項目です。先にここを消しておくと、残る課題を計画審査の4つの観点に絞り込めます。

次にとる行動

  1. 次に応募する類型・公募回の公募要領を入手します。前回と同じ類型でも、版が変わっていることがあります。
  2. 基礎審査の4条件(共同・協業型は要件不備の6条件)を一つずつ確かめます。
  3. 第三者の支援を受けた場合は、申請様式の記載欄を確認します。
  4. 選ぶ加点を2種類以内にします。
  5. 計画審査の4つの観点ごとに、申請書の該当箇所を探し、根拠の薄い部分を補います。

今ある申請書の骨格は活かしたまま、足りない根拠や記載を補うことで、採択に近づける可能性があります。


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出典

いずれも取得日は2026年10月2日です。

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